ケアマネージャーとして働いてる方にとって、今後のケアマネージャーがどうなっていくのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
また、通常のケアマネージャーではなく主任ケアマネとして働こうと考えている方や、AIの導入によって現場にどのような変化が起こるのか気になっている方も多いはずです。
この記事では、ケアマネージャーが今後どのようになっているのかについて主任ケアマネや AIについて絡めながら解説していきます。
ケアマネジャー人手不足
ケアマネージャーは、現在も今後も慢性的な人手不足であるとされています。
現在介護の現場では、ケアマネージャーの不足が指摘されています。2025年までに高齢者が増加していくことが社会問題となっており、それに対して介護を提供しなければならないのです。しかし、その介護を提供するためにはケアマネージャーがケアプランを作ることが必要ですが、多くのケアマネージャーが既に利用者を限界まで担当しているため、ケアマネージャーを増やすことでしか介護の現場を改善することができない状況になっています。
この状況は今後も当面続いていくことは考えられ、ケアマネージャーは深刻な人手不足が慢性的に続いているという状況になっています。
主任ケアマネの人手不足はさらに深刻
さらに、主任ケアマネの人手不足はより深刻なものとなっています。
現在、居宅介護支援事業所や地域包括ケアセンターでは、主任ケアマネを管理者という位置づけで配置することが努力義務とされています。しかし、実際には研修や実務期間が必要であるために、主任ケアマネを取得することができていない管理者が多く、ほとんどの事業所が主任ケアマネの不足に悩んでいます。こちらについても主任ケアマネの取得のための実務経験が問題であるためにすぐには現場に十分な数が配置されるとは考えがたく、通常のケアマネージャーと比較するとより深刻な人手不足にあると考えられます。
ケアマネージャーの数はすぐには増えない
ケアマネージャーは、実務経験を経たのちに資格取得のための試験を受けることができます。この実務経験は、介護福祉士などとして現場にて5年の経験を積むことが必要とされるものです。看護師や理学療法士といった国家資格保有者がケアマネージャーになることもありますが、その場合には専門学校や大学を卒業してからの実務経験となるため8年から10年程度ケアマネージャーの資格取得まで時間かかります。
もちろん、ケアマネージャーとしての資格を取得したとしても、すぐに現場で一人前になることはできません。やはり半年から1年という期間現場で様々な高齢者の方と対応することで一人前になっていきます。このように考えると、現在不足しているケアマネージャーがすぐに十分な供給状態になるとは考えることはできないでしょう。
そして、主任ケアマネとなるとより事態は深刻となります
主任ケアマネは、通常のケアマネージャーが一定の要件を満たした上で研修を受けることで資格を取得することができます。これはケアマネージャーとして働き始めてさらに5年程度の時間を要するため、主任ケアマネが今の様々な事業所に十分に配属されるということは現場ではやはり難しいでしょう。
2030年のケアマネ市場はどうなっているか?
では、2030年頃にケアマネージャーはどのような状況になっているのでしょうか。
日本の高齢化が最も問題となるのは、2025年と言われてます。これは2025年問題と言われ、高齢者人口がとても多くなること、認知症の高齢者の数が急増すること、高齢者世帯数が増加すること、年間死亡者のうちのほとんどが高齢者となること、各都道府県の高齢者人口が変わり都市部でも高齢化が起こることなどが指摘されています。そのため、地域の介護の現場では、2025年に向けて準備を少しずつ整えているという状況になります。しかし、これは2025年で終わる問題ではありません。それ以降も高齢化はどんどんと進んでいき、社会はそれに適応しなければならないという状況にあります
そのようななか、ケアマネージャーはどのような状況になっているのでしょうか。
ケアマネージャーは、高齢者が地域や施設でより良い暮らしを送れるようにサポートすることが仕事となっています。そのため、高齢者がどんどん増えていく状況においてはケアマネージャーの仕事もどんどん増えていくと言っても過言ではないでしょう。したがってケアマネージャーの需要はますます高まっていくという状況にあります。
ただし、後述するようによりケアマネージャーが効率よく仕事ができるように AI の導入が現在図られており、それが2030年頃には現場にも反映されているだろうということが考えられています。
AI導入によるケアマネージャーへの影響
現在、現場では AI の導入が猛スピードで進められています。
これは、ケアマネージャーの仕事の負担を減らすためにケアプランの立案などを AI によってサポートするというようなものです。 現場では AI が導入されることによってケアマネが不要になるといった声がたびたび聞かれていますが、現在のところそこまでの影響が出るとは考えられません。というのも、ケアマネージャーが立案しているケアプランの補助的な役割として AI を導入することが想定されているためです。
とはいえ、2030年になった頃に AI がどれほどのケアプランの立案等が行えるような力を持っているかは想定しきれないところがあります。従って、今後はケアマネージャーが AI を上手く使いこなせるようなスキルを獲得していくことが求められているのではないでしょうか。
実際、現在の介護の現場ではまだまだ FAX が主流であるという実情があります。今後はメールや介護保険に特化したシステムなどが導入されることが容易に想像できるため、システムなどが導入されることが容易に想像できるためそれに対応できるケアマネージャーの存在が必須となるでしょう。
ケアマネージャーの将来について
これらを総括すると、ケアマネージャーの将来についてはそれほど悲観しなくていいということが分かるのではないでしょうか。 しかし、高齢者は増加の一途をたどるため、忙しさの中でケアマネージャー業務を行うことや、AIの導入などに対応できるスキルを身に付けることは必須と言えるでしょう。
ケアマネージャーの将来はニードは非常に高いと言えるものの、ケアマネージャーとしての技術が低ければ淘汰される存在となってしまうことは容易に考えられます。
資格にあぐらをかいて自己研鑽を怠るのではなく、日々の利用者さんへの対応を丁寧に行いながら、ケアマネージャーとして適切なケアプランの立案や他職種との連携を積極的に図るようにしましょう。
ケアマネージャーとしてのキャリアアップについて
これらを踏まえると、ケアマネージャーとしてのキャリアアップは二つの方向性が考えられます。
まずは、現場で一つ一つのケアプランを丁寧に立案し、 他職種との連携を円滑に行い、ケアマネージャーとして自立したスキルや知識を身につけておくことです。 どれだけケアマネージャーが不足していると言っても技術のないケアマネージャーはむしろお荷物となってしまい、事業所から不要な人材として扱われてしまいます。そうならないよう、ケアマネージャーとしての技術を高めていくことは必須となります
もう一つは主任ケアマネを取得することです。これからの介護保険業界では、主任ケアマネの不足がますます加速していきます。そうなった時に資格を有していると、利用者からの信頼を得ることにもつながります。ちなみに主任ケアマネを取得していると、転職時に有利な条件となることも考えられます。というのも今後は主任ケアマネは各事業所に配置が義務付けられるため、主任ケアマネがいない事業所は必死で求人を出すことになります。そのような中で待遇も高くなることが考えられます。
転職活動をする時には
ケアマネージャーとしてのキャリアアップを考える時には転職 が一つの選択肢となるでしょう。
スキルアップを図れる事業所もあれば、良い待遇で主任ケアマネを募集している事業所もあります。しかし、ケアマネージャーの転職状況は友人や知り合いからの情報収集がメインとなっているため、深く多くの事業所を検討するということが難しくなっています。そのため、せっかくスキルアップしたいと考えていても、それがかなわない事業所に転職してしまうことや、同じ主任ケアマネであっても待遇に雲泥の差がある事業所があります。
ケアマネージャーとしての転職活動を成功させるためには、転職エージェントの活用を検討しましょう。転職エージェントとは、転職活動をサポートする専門家のことであなたにピッタリの転職先を一緒に調べ。考えてくれます。ケアマネージャーとしての働き方を充実したものとなるように、一人で無理せずに必ず転職が成功するようなプロを頼るようにするとよいでしょう。
おわりに
この記事では、ケアマネージャーが今後どのようになっているのかについて主任ケアマネや AIについて絡めながら解説しました。
ケアマネージャーはこれからも高齢化の背景の中で求められる職種であると言えるでしょうしかしその一方でケアマネージャー業務がしっかり行えることや AI 導入に対して適切に対応できることが必須となってきますさらにはケアマネージャー個人のキャリアアップを考えると今後不足が深刻である主任ケアマネの資格を取得していくことが望ましいでしょうこれからのあなたのケアマネージャーとしての働き方はケアマネ業界の動向に合わせて考えていくことが望ましいです